「保証期間内だから無料のはず」と思って業者に連絡したら断られた大家の話

📖 「保証内のはず」が、通らなかった

1

1年前に交換した給湯器が止まった。ユウは「保証があるから」と業者に電話した
去年交換したばかりなので、保証で無料ですよね?
2

「凍結は保証対象外」「うちの工事じゃない」「保証書の登録がない」…全額自費…
ガーン
保証は「ある」だけでは使えない
3

保証には「誰が」「何を」「いつまで」「何を除く」がある。4つ揃って初めて効く
築古転生士(元設備設計士 × 大家)のひと言
4

保証書は工事のとき5項目を確認して、期限をカレンダーに。それだけで使える保証になる!
ピカーン!
保証は、受け取った日に読む
5

連絡は「症状・日付・写真・保証書の番号」を添えて書面で。触る前に、と
連絡の仕方で、保証の通り方が変わる
6

次の不具合は、保証書の番号と写真を送ったら翌日に無償で直った
保証を使える大家は、修繕費が静かに減る

— 記事本文へ続く —

1年前に交換したばかりの給湯器が止まり、若い大家さんは「保証があるから無料のはず」と業者に電話しました。返ってきた答えは3つ。「凍結による故障は保証の対象外」「その部分はうちの工事ではない」「メーカー保証の登録がされていない」。結局、全額自費になりました。

保証期間内のはずだったのに、業者に断られて全額自費。そんな大家さんは後を絶ちません。原因は、保証の「範囲」と「条件」を把握しないまま、保証が「ある」ことだけで安心していることです。本記事では、元設備設計士で、札幌で築古物件を自主管理する筆者が、保証が効かない典型的な4つの理由、保証書で確認する5つの項目、そして保証を使うときの連絡の仕方と記録の残し方を整理します。

読み終える頃には、保証書を「受け取った日に読む」習慣がつき、使える保証で修繕費を静かに減らせるようになります。

📖 この記事でわかること

保証が効かない4つの理由(対象外の原因・他社の工事・書面の不備・期限切れ)と、凍結故障が対象外になる寒冷地の注意点がわかります。保証書で確認する5項目、工事のときに保証を書面で残す頼み方、症状・日付・写真・保証番号を添えて触る前に連絡する使い方を表とチェックリストで確認できます。

目次

⚠️ 考え方: 保証が効かない典型的な4つの理由

保証が効かない理由は、ほぼ4つに分けられます。1つ目は「原因が対象外」。保証は製品の初期不良や施工の不具合を対象にしていて、凍結、落雷、誤った使い方、経年劣化は除外されていることが多い。冒頭の給湯器は、凍結が原因と判断されて対象外になりました。寒冷地では、凍結が保証の対象かどうかが最初の確認点です。

2つ目は「他社の工事」。保証は工事した業者と製品のメーカーが出すものです。業者が毎回違うと、「その部分はうちの工事ではない」と言われます。給湯器本体はA社、配管はB社、電気はC社、と分かれていると、不具合の原因がどこにあるかで責任の押し付け合いになります。

3つ目は「登録や書面の不備」。メーカー保証は、購入後に登録が必要なものがあります。工事の保証は、保証書が発行されていない、または口頭だけ、というケースが多い。「保証は2年です」と言われた記憶があっても、書面がなければ確認のしようがありません。

4つ目は「期限切れ」。製品保証は1〜2年、工事保証は1〜10年と幅があり、部位によって違います。外壁塗装は10年でも、シーリングは5年、付帯部は1年、ということも。期限をカレンダーに入れていないと、切れた後に気づきます。

設備設計の仕事では、竣工時に保証書と取扱説明書を1冊のファイルにまとめて引き渡します。大家も同じで、工事のたびに保証書をファイルに入れ、期限を書き出しておく。保証は「ある」だけでは使えず、「読んで、記録して、期限内に正しく連絡する」ことで初めて効きます。

効かない理由 よくある例 防ぎ方
原因が対象外 凍結・落雷・誤使用・経年劣化 寒冷地は凍結が対象か先に確認
他社の工事 本体・配管・電気で業者が違う できるだけ1社にまとめる
登録・書面の不備 メーカー登録なし、口頭の保証 工事完了時に保証書を受け取る
期限切れ 部位ごとに期限が違う 期限をカレンダーと履歴に書く

📄 やり方: 保証書で確認する5つの項目

保証書を受け取ったら、5つの項目を確認します。「誰が」保証するのか(メーカーか、施工業者か、両方か)。「何を」保証するのか(製品本体か、施工部分か、部品だけか)。「いつまで」か(部位ごとの期間と起算日)。「何を除く」のか(凍結、天災、誤使用、消耗品)。「どこに連絡」するのか(窓口の電話番号と受付時間)。

この5つのうち、寒冷地で最も大事なのが「何を除く」です。凍結による故障が対象外なら、凍結防止の対策(凍結防止帯、水抜き、保温材)を自分で確実にやる必要があります。逆に、凍結防止帯の施工不良による凍結なら、施工業者の保証対象になり得ます。原因がどちらかで、結論が変わります。

工事を頼む段階で、保証を書面で残してもらいます。見積書か契約書に「保証期間:○年、対象:○○、除外:○○」の1行を入れてもらう。「保証はどうなりますか」と聞くだけで、誠実な業者は書いてくれます。書いてくれない業者は、保証を出す気がないか、出せる自信がないかのどちらかです。

業者の使い分けも保証に関わります。工種ごとに専門業者に直接頼めば費用は安くなりますが、保証の窓口が増えます。一括対応の業者は10〜20%高くなりがちですが、窓口が1つで済み、責任の所在がはっきりします。給湯器のような「本体+配管+電気」が絡む工事は、1社にまとめる方が保証を使いやすい。

保証書は、修繕履歴の6項目(日付・場所・内容・業者・金額・保証)の最後の欄に、期限と窓口を書いておきます。物件ごとに1枚の表があれば、「これは保証内か」が電話の前に分かります。

  • ✅ 保証書の「誰が・何を・いつまで・何を除く・連絡先」の5項目を確認した
  • ✅ 寒冷地の凍結が保証の対象か対象外かを確認した
  • ✅ 見積書か契約書に保証期間・対象・除外の1行を書いてもらった
  • ✅ メーカー保証の登録が必要なものは登録した
  • ✅ 本体・配管・電気が絡む工事は、できるだけ1社にまとめた
  • ✅ 修繕履歴の保証欄に期限と窓口を書き、期限をカレンダーに入れた

📞 マインド: 保証を使うときの連絡の仕方と、記録の残し方

保証を使うときの連絡には、順番があります。まず「触る前に」連絡する。自分で分解したり、別の業者に直させたりすると、「原因が特定できない」「第三者が触った」として保証が使えなくなります。応急処置が必要なら、写真を撮ってから、保証の窓口に「応急処置をしていいか」を聞く。

連絡は書面(メールで可)にします。添えるのは4つ。症状(いつから、どんな状態か)。日付(気づいた日)。写真か動画(不具合の箇所と、型番の銘板)。保証書の番号か、工事の日付と請求書。この4つが揃っていると、窓口の担当者は「保証内か」をすぐ判断できます。電話だけだと「言った・言わない」になります。

連絡の言い方は、「保証で無料ですよね」ではなく「保証書の○○の範囲に当たると思うのですが、確認をお願いします」。結論を押しつけず、判断を求める言い方の方が、担当者は動きやすい。対象外と言われたら、「どの条項で対象外になりますか」と根拠を聞く。根拠を示せない場合は、再確認を頼めます。

記録も残します。連絡した日時、担当者の名前、回答の内容を、修繕履歴に1行。対象外と言われた理由も書いておくと、次の工事で同じ失敗を防げます。「凍結は対象外」と分かれば、次の冬の前に凍結防止帯を点検する、という行動につながります。

冒頭の大家さんは、次の工事から保証を書面でもらい、期限をカレンダーに入れ、次の不具合では保証書の番号と写真を添えてメールしました。翌日に無償で直ったそうです。「保証は、受け取った日に読むものだと分かった」と話していました。今日やることは、手元にある保証書を全部出して、期限と除外項目を修繕履歴に書き写すことです。

💡 ポイント

連絡は「触る前に」「書面で」「症状・日付・写真・保証番号を添えて」。「無料ですよね」ではなく「保証書の範囲に当たると思うので確認を」と判断を求める。対象外なら根拠の条項を聞く。

📌 この記事のまとめ

  • 保証が効かないのは、原因が対象外・他社の工事・登録や書面の不備・期限切れの4つ。寒冷地では凍結が対象外になりやすく、保証は「ある」だけでは使えません。
  • 保証書は「誰が・何を・いつまで・何を除く・連絡先」の5項目を受け取った日に確認し、見積書に保証の1行を入れてもらい、期限を修繕履歴とカレンダーに書きます。
  • 使うときは触る前に、書面で、症状・日付・写真・保証番号を添えて。まずは手元の保証書を全部出して、期限と除外項目を修繕履歴に書き写してください。
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