📖 修繕費が、家賃の3割を超えた
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年末に収支を締めた若い大家さんは、修繕費の合計を見て手が止まりました。家賃収入の3割超え。毎月の手残りはほとんどありません。思い返せば、給湯器の不調を「春まで様子見」と先送りしたところ、真冬に凍結で配管が破裂し、3万円で済むはずの修理が18万円に膨らんでいました。
「業者の言い値で払っているけど、本当に妥当なのか」。損してから気づく大家さんが後を絶ちません。何も対策しないと、修繕費に経営の主導権を奪われます。本記事では、元設備設計士で、札幌で築古物件を自主管理する筆者が、修繕費が膨らむ大家に共通する3つのNG行動、雪解け後の年1回点検で大修繕を防ぐ仕組み、年間契約とスポット相見積もりで修繕費を2割削減する方法、そして必要な修繕と過剰な修繕を見極める基礎を整理します。
読み終える頃には、修繕費の主導権を自分の手に取り戻し、突発の大修繕に怯える夜がなくなります。
📖 この記事でわかること
修繕費が膨らむ大家の3つのNG行動(1社固定・放置・言い値承認)と、北海道の冬に先送りが5〜10倍の出費になる理由がわかります。雪解け後の年1回点検5項目、年間契約と3社相見積もりの使い分け、目的・部分補修・グレードで見極める3基準を表とチェックリストで確認できます。
⚠️ 考え方: 修繕費が膨らむ大家に共通する3つのNG行動
「うちは管理会社に全て任せているから大丈夫」と思っていた大家さんほど、後から修繕費の高さに愕然とします。修繕費が膨らむ大家には、共通するNG行動が3つあります。業者を1社に固定して相見積もりを取らない。不具合を放置して大修繕に発展させる。提案された見積もりを内容も確認せず承認する。
冒頭の給湯器の話は、2つ目の典型です。「もったいないから春まで様子見」は、北海道では最も危険な判断です。凍結と破裂で修繕費が5〜10倍に跳ね上がります。北海道の冬は「先送り」こそが最大の敵で、気づいたその日のうちに動くのが鉄則です。
1つ目の「1社固定」は、関係が長いほど起きやすい。信頼している業者でも、比較されない前提の見積もりは、少しずつ高くなります。3つ目の「言い値の承認」は、見積書の内容を読まないことから始まります。「6畳全面のクロス張替えで4万8,000円」と言われて、本当に全面が必要かを聞かない。
筆者も札幌で10戸とアパート1棟を自主管理しながら、この3つを直しただけで、年間の修繕費を2割以上減らしました。特別な技術ではなく、「比較する」「放置しない」「読む」の3つの習慣です。
修繕費削減への第一歩は、こうしたNG行動を「自分も無意識にやっているかも」と自覚することです。去年の請求書を並べて、1社に偏っていないか、先送りして高くなったものはないか、内容を読まずに承認したものはないか、を確認してください。
| NG行動 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 業者を1社に固定 | 比較されない見積もりは少しずつ高くなる | 10万円以上は3社相見積もり |
| 不具合を放置 | 北海道の冬は凍結・破裂で5〜10倍 | 気づいた日に動く。年1回点検 |
| 言い値で承認 | 全面張替えなど過剰な工事 | 目的・部分補修・グレードを聞く |
🔧 やり方: 予防メンテナンスの年1回点検と、相見積もりの使い分け
修繕費削減で最も効果が大きいのは「予防メンテナンス」です。壊れてから直すより、壊れる前に対策する方が圧倒的に安く済みます。たとえば外壁のコーキング(継ぎ目の防水材)は、10年ごとに打ち替えれば1棟15万円程度で収まります。放置して雨漏りに発展すると、外壁工事と内装の復旧で100万円を超えることも珍しくありません。差は85万円。これが予防の力です。
筆者の物件では、年1回の定期点検をルールにしています。項目は5つ。外壁のひび割れとコーキングの劣化。屋根の雪止め金具と雨樋の損傷。給湯器と配管の凍結対策。共用部の照明と自動ドアの動作。室内の結露とカビの発生状況。北海道では、雪解け後の4〜5月が点検の最適な時期です。冬のダメージが一番見つかりやすい。
次に相見積もりです。3社から見積もりを取ると、最高値と最安値で20〜30%の差が出るのが普通です。原状回復費15万円の見積もりが、相見積もりで12万円まで下がった例もあります。ただし、毎回違う業者を使うのも非効率です。おすすめは「年間契約+スポット相見積もり」の組み合わせ。
軽微な修繕(5万円以下)は信頼できる1社に長期で発注する。高額な修繕(10万円以上)は必ず3社の相見積もりを取る。業者には「他社の見積もりと比較する」と事前に伝える。この3つです。「比較される前提」が伝わると、最初の見積もりから適正な価格が出てきます。
業者と良好な関係を保ちつつ、価格の妥当性を確認する姿勢が大切です。安さだけで業者を替え続けると、緊急時に来てくれる業者がいなくなります。年間契約の1社と、比較のための2社。この形が、札幌の冬を乗り切る現実的な体制です。
- ✅ 去年の請求書を並べ、1社固定・放置・言い値承認の3つを自己チェックした
- ✅ 雪解け後の4〜5月に年1回点検(外壁・雪止め・給湯器・共用部・結露)を予定した
- ✅ 外壁コーキングなど、10年周期の予防工事の時期を確認した
- ✅ 5万円以下は年間契約の1社、10万円以上は3社相見積もりと決めた
- ✅ 業者に「他社と比較する」と事前に伝えた
- ✅ 見積もりを受けたら目的・部分補修の可否・グレードの3つを聞いた
📚 マインド: 必要な修繕と過剰な修繕を見極める3つの基準
業者の提案をそのまま受け入れていませんか。修繕費削減には「見極め力」が欠かせません。クロス張替えの提案を受けたとき、「6畳全面で4万8,000円」と言われても、本当に全面が必要かを疑ってみる。汚れがひどい1面だけなら、1万2,000円で済むこともあります。
見極めの基本は3つです。修繕の「目的」を確認する(美観か、機能の回復か、予防か)。部分補修で済むかを必ず聞く。グレードを下げられないか相談する。築古物件は、新築と同じグレードに戻す必要はありません。次の入居者が困らない最低限の水準で十分です。迷ったら「この工事をしなかったら、次の入居者は困るか」と一度だけ自分に聞いてみてください。
設備設計の現場でも、「全部替える」提案と「悪いところだけ替える」提案は、金額が3倍違うことがあります。どちらが正しいかは目的次第です。あと5年で売却するなら最低限、20年持つなら性能の高いものへ。出口が決まっていれば、修繕のグレードも自然に決まります。
冒頭の大家さんは、翌年から雪解け後の点検を始め、10万円以上の工事は3社に出し、見積書には必ず「部分補修で済むか」を聞くようにしました。修繕費は前年より2割減り、「突発の大修繕に怯える夜がなくなった」と話していました。
修繕費は、大家が主導権を持てる数少ない支出です。家賃も金利も相場で決まりますが、修繕費は「予防する」「比較する」「見極める」の3つで、自分でコントロールできます。今日やることは、去年の請求書を出して、3つのNG行動が無かったかを確かめること。そこから、修繕費の主導権が戻ってきます。
💡 ポイント
見極めの3基準は「目的・部分補修・グレード」。築古は新築と同じ水準に戻す必要はなく、次の入居者が困らない最低限で十分。出口が決まれば修繕のグレードも決まります。
📌 この記事のまとめ
- 修繕費が膨らむ大家の癖は、1社固定・放置・言い値承認の3つ。北海道の冬は先送りが5〜10倍の出費になります。
- 雪解け後の年1回点検(外壁・雪止め・給湯器・共用部・結露)で壊れる前に直し、5万円以下は年間契約の1社、10万円以上は3社相見積もりで2割減らせます。
- 見積もりは目的・部分補修・グレードの3つで見極める。まずは去年の請求書を並べて、3つのNG行動が無かったかを確かめてください。
その見積もり、頼む前に見せてください
元設備設計士の筆者が、修繕の見積書を「一式」の中身まで読んで、高いか安いか・何を確認すべきかをお伝えします。まずはお問い合わせフォームから見積書の内容をお送りください。


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